初代ニアという猫は…


初代はAが中二にの時に友人宅から貰ってきた、ちゃとらの八割れ白靴下猫の♂で、Aが結婚して長男が生まれる頃までの15年以上を一緒に過ごした猫です。

たしか当時、子猫物語って映画で茶とらブームだったのかな…(´∀`*)

その当時の田舎町では猫といえば室内飼いではなく、家と外を自由に出入りするスタイルが支流でした。

その頃のやんちゃなAと、Aの友人達に鍛え上げられた初代ニア。去勢がマイノリティーな時代だった当時、細身の体格ながら、近所の野良猫、飼い猫が何十匹とひしめく中で最強を誇り、地区一帯を縄張りにする強者でした。

初代ニアは、外で呼べば何処からともなくやってきて、名前を呼べば尻尾で二回パタパタと返事をする子でした。

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初代ニアと散歩


今では考えられない猫の散歩。

当時放し飼いでリードも何も無しでしたが、Aが「散歩いくよ~」と初代ニアに声を掛けると必ず一緒に散歩へ行ってくれました。

そんな初代ニアとの散歩はAの先を初代が先行して歩き、道の分かれ目で安全確認しながら待っていて、Aが追いついて進んだ道をまた先行して歩くスタイルで、近所のいろんな所に自由気ままに一緒に散歩に行ったのを覚えています。

Aの住んでいた実家は田舎町のわりに道が狭く、交通量の多い場所でしたが、一緒に散歩するうちに初代ニアは、車をちゃんと見て道路を渡るだけではなく、信号機も見て道路を渡ることを覚えた利口なやつでした。



初代ニアと車


初代ニアは車に乗るのがめっちゃ好きで。

Aが車をイジッてると、ずーっと車内に乗って眺めていたり…

Aが仕事の出社の時間以外で、車でどこかへ行こうとすると付いてきて、車のドアを開けると隙を見て乗り込もうとしてきやがり、その攻防で時間取られたりして…

でも、初代ニアとは結構色々な所へ一緒にドライブ行ったなぁ

初代ニアはドライブ先では、あまり車から降りてこないが、たまに車から降りてきてドライブ先でブッパナして姿がみえなくなっても、呼べば戻ってくるやつでした。



手の狐と初代ニア


小さい頃からAが手で狐を作ると、戦闘モードになって掛かってくる。

晩年になり、落ち着いたおじいちゃんになって遊びや物に興味がなくなっても、Aが手で狐を作ると瞬時に戦闘モードになり飛び掛かってきた、あれは今思うと初代なりの愛情表現だったのかなって思う。


初代ニア 漢の勲章を作って男の勲章を失う


初代ニアはよく近所の野良猫や野良犬と喧嘩してケガすることも多かったのだが、一度鼻の脇をバックリと7針縫う大きなケガをした事があった。

ケガをして来た時、Aのばーちゃんが初代ニアの顔を見て、

あらあら鼻が取れそうな位、顔にでっかい漢の勲章付けてきてバカだねぇ、

と言いながら初代ニアを病院につれていってくれたのだが…

初代ニアが病院から帰ってきたときには、キャプテンハーロックかブラックジャックみたいな顔に縫い傷と、にゃん玉も一緒に取られて帰ってきた…(´д`;)

当時去勢という概念が薄かった時代と、若かったAのピュアな感覚が、初代ニアのにゃん玉が取られたことにショックと初代ニアが可哀想で、ばーちゃんに抗議したが…

一度取られたにゃん玉は戻せないし…

ばーちゃんは、毎回喧嘩してくるたびケガしてきて、病院代がたまんねーんから、おとなしくなるように玉取ってきた。文句あんのか?文句あるなら今までの病院代お前が払ってから言え!と言われたので心の中で初代ニアにスマンと謝りながら、ばーちゃんには問題ありませんとAは気持ちよく答えました。



嫁ちゃんと初代ニア


猫好きの嫁ちゃんと初代ニアの出会いは、あまり初代ニアが猫っぽくなかったので、嫁ちゃんの思った初代ニアの第一印象ってのは、怖っ!そしてキモッ!だったそうだw

嫁ちゃんと結婚してからは、Aが仕事でいない間一緒にいる事が多く友情が芽生えたのか、散歩や買い物を一緒に行ってたようだ、でも初代ニアの口が魚臭いと理由で一緒に寝る事はなかったw



晩年の初代ニア


晩年、長女の娘が生まれてからは娘の守り猫に。

我慢強く、小さな娘の遊び相手をしてくれ、(尻尾を引っ張られたり、もみくちゃにされたり、噛まれたり)娘にどんな事されても一度も怒ったことなく、娘に何かあれば家族に知らせてくれた。

徒歩での娘の保育所の送りを、晩年の狭くなった縄張り端のタバコ店までしてくれて、保育園の迎えもタバコ店を過ぎると、何処からともなく初代ニアが表れて一緒に家に帰るのが日課だった。


近所に飼い主以外の人には、誰にでも吠え、噛みつく気の荒い犬がいて。

その犬が、縄抜けをして逃亡してきたらしく、ばあちゃんが庭掃除してたその周りで遊んでいた娘の所に来た時に、娘がワンちゃんだ~♪と手を出し時に、犬に腕を噛まれた時があって。

その時、娘の泣き声を聞いた初代ニアが走って来て、噛んだ犬に飛び掛かり、怪我をしながらも犬を撃退して追っ払ってくれた。

娘も初代ニアも病院に行き、どちらも数針を縫う怪我を負ったが、とりあえず無事で何よりだったが…

次の日、とりあえず苦情を言っておこうと、近所の犬の飼い主さんの家に行ってみたら…

包帯巻いて首にカラーを巻いた初代ニアさんが、繋がれたそこん家の犬と喧嘩してるじゃないですかw

速攻、犬の飼い主には何も言わず、ブチ切れ興奮状態の初代ニアを捕まえ帰りましたw

傷が治るまで初代ニアを家に監禁してましたが、外に出れるようになったらしばらくの間、毎日のように犬に喧嘩売りにいてたらしく、しょっちゅう生傷を作て帰ってきた…(*´Д`*)

その事で、逆に犬の飼い主に苦情を言われてしまったw


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外猫は死期を悟とると姿を消す


妹が出産して実家帰って来て、嫁ちゃんも長男を妊娠してた頃、歯が抜けはじめ年老いて瘦せた初代二アが姿を消した、最初に気づいた嫁ちゃんがお腹が大きいのに一人で一日中探してたが見つからず、仕事から帰ったAに報告してきた。

初代ニアを知るAの友人達も結構な人数が集まって数日間、隅から隅まで捜索してくれたが見つけてやるこができなかった…


外猫は死期を悟と姿を消すと、周りからよく聞いていたが、猫らしくない初代ニアはそんなことはないだろうと、Aは心の中で何処か思っていた所があって、最後は悲しいけど看取らせてくれるんじゃないかと思っていて、一人寂しく逝くのかと思うと何だかやりきれないモヤモヤした気持ちになったのを覚えている。


でも、今はそんな初代ニアの性格だったからこそ、その時期に迷惑かけないように、家族をあまり悲しませない様に、そっと姿を消したんだろなって思う…



今ではほとんど見ないが、初代ニアがいなくなって数年間は実家に帰ると、実家の周りでよく外で元気に遊ぶ初代ニアに似た、茶とら八割れ白靴下の子猫をよく見かけた。


実家の近所で初代ニアに似た子猫を見かけるたびに初代ニアを思い出し、あの子は初代ニアの子供かな?孫なのかな?ってよく当時は思っていた。